ネットワークトラブルに関しては、ネット上で様々な民間療法や不正確な知識が拡散されています。快適な通信を取り戻すために、知っておくべき3大誤解を解き明かします。
誤解1:「Wi-Fiマークのアンテナが最大なら回線速度も最速である」
これは最も広く信じられている誤謬です。扇形のアンテナピクトが示すのは、あくまで「端末とルーター間の電波の強度」であり、「インターネットの実効スループット(通信速度)」ではありません。どれほど強力な電波でルーターと結ばれていても、2.4GHz帯の電波干渉(電子レンジやBluetooth機器との競合)を受けてパケットロスが発生していたり、夜間の回線輻輳によってプロバイダ側が速度低下を起こしていれば、動画は止まりゲームはラグ(遅延)に悩まされます。アンテナ強度に惑わされず、5GHz帯(IEEE 802.11ac/ax)や6GHz帯への周波数変更を試みるのが技術的に正しいアプローチです。
誤解2:「鍵マークがないフリーWi-Fiでも、大手チェーン店なら安全」
「有名カフェや空港の無料Wi-Fiだから安心」と思い込むのは非常に危険です。鍵マークのついていないオープンネットワークは、通信内容が一切暗号化されていません。同一のWi-Fiに接続している第三者がパケットキャプチャツールを使用すれば、閲覧しているWebサイトのURLや非暗号化通信のテキストデータが容易に覗き見できてしまいます。鍵マークのないWi-Fiを利用する際は、VPN(Virtual Private Network)の併用が鉄則です。
誤解3:「ルーターの電源プラグは頻繁に抜き差ししてリセットすべき」
不調時にルーターの電源を抜くこと自体は有効なリセット手法ですが、数秒で抜き差しを繰り返す行為は逆効果です。ルーターやONUは精密な組み込みOSで動作しており、瞬断を繰り返すと内部フラッシュメモリのデータ破損や、プロバイダ側のセッションロック(連続切断とみなされて一定時間接続を拒絶される現象)を招きます。電源プラグを抜いた後は最低でも「5分間」放置し、内部のコンデンサを完全放電させてから電源を入れ直すのが正しい手順です。