閉鎖後のゴルフ場跡地利用として、全国的に最も多く選択されてきたのが「メガソーラー(大規模太陽光発電所)」への転用です。岡山県は「晴れの国」と称されるほど日照時間が長く、広大な傾斜地と遮蔽物のないゴルフ場跡地は、再生可能エネルギー事業者にとって絶好の投資対象と見なされてきました。岡山金陵カントリークラブの跡地についても、閉鎖直後から外資系エネルギー企業や国内ファンドによるメガソーラー開発計画の噂が絶えず浮上してきました。
しかし、計画の実現には幾重もの高い壁が立ちはだかりました。第一に、近隣住民による防災上の強い懸念です。ゴルフ場の広大な芝草を剥ぎ取り、太陽光パネルを敷き詰める工事は、集中豪雨時の保水力低下を招き、下流域の集落に大規模な土砂災害や河川氾濫を引き起こすリスクが指摘されました。第二に、自治体による法規制の厳格化です。岡山県および岡山市は、相次ぐ太陽光発電トラブルを受けて開発ガイドラインや条例を改正し、一定規模以上の施設設置に対して厳格な環境影響評価と地域住民の事前合意を義務付けました。
2026年現在、岡山県内のゴルフ場跡地開発においては、手続きの長期化や工事費用の高騰、電力会社の送電線容量(系統連系)の空き容量不足が深刻なボトルネックとなっています。岡山金陵カントリークラブの跡地も全面的なメガソーラー稼働には至っておらず、一部での限定的な設備導入や計画の見直し、あるいは自然保護区的な現状維持状態が続いており、地域の景観保全と産業利用の間で複雑な綱引きが続いています。