無限城における上弦の壱・黒死牟との死闘は、時透無一郎という少年の存在理由と、彼が背負った過酷な運命の真相を白日の下に晒しました。
黒死牟が対峙した瞬間、無一郎の姿に自身の血統を見出し「我が末裔」と告げた衝撃の事実。時透家は、始まりの呼吸を生み出した天才剣士・継国縁壱の双子の兄であり、月の呼吸を操る黒死牟(人間名:継国巌勝)の直系の子孫だったのです。無一郎が持ち合わせていた異常な剣術の呑み込みの早さ、空間把握能力の高さは、まさに「始まりの剣士の血」が何百年もの時を経て隔世遺伝した結果でした。
しかし、血のつながりという宿命を前にしても、無一郎の闘志は一切揺らぎませんでした。左手首を切断され、肩を柱に縫い付けられるという絶望的な重傷を負いながらも、彼は自力で拘束を脱出。さらに限界を超えた極限状態のなかで、以下の3つの境地へと到達します。
- 「透き通る世界」の開眼:敵の筋肉の収縮や血流、肺の動きまでをレントゲンのように透視し、攻撃の初動を完全に先読みする至高の領域。
- 日輪刀の「赫刀(かくとう)」化:万力の握力によって刀の温度を上昇させ、鬼の再生能力を著しく阻害する赫い刃を発現。
- 捨て身の拘束:胴体を両断されながらも、命の灯火が消える寸前まで黒死牟の腹部に赫刀を突き立て続け、再生を停止させて悲鳴嶼行冥や不死川実弥の決定打を呼び込みました。
己の命を投げ打って仲間を勝利へと導いたその散り際は、単なる血統の優位性を超え、「誰かのために無限の力を発揮する」という人間の尊厳を証明する壮絶な結末でした。