Mrs. GREEN APPLEが歩んできたアルバムの歴史を振り返ると、『Variety』が果たした役割の重要性が一層浮き彫りになります。
インディーズ盤『Introduction』で蒔かれた種は、『Variety』というメジャーデビューミニアルバムで見事な芽吹きを見せました。その後、1stフルアルバム『TWELVE』、セルフタイトルの『Mrs. GREEN APPLE』、音楽的冒険を極めた『ENSEMBLE』、そしてフェーズ1の集大成となった『Attitude』へと進化を遂げます。活動休止を経て突入したフェーズ2では、『ANTENNA』をはじめとするメガヒット作を連発し、名実ともに邦楽シーンの頂点へと君臨しました。
最新の人気曲ランキング上位に並ぶ「ライラック」「ケセラセラ」「Soranji」といった楽曲群に宿る、人生の痛みを抱きしめながら光を希求するアティチュード。その原型はすべて、『Variety』の「StaRt」や「ゼンマイ」ですでに提示されていました。歴代のどのアルバムと比較しても、『Variety』ほどバンドの核となるエッセンスが純度高く、無駄なく凝縮された作品は他に存在しません。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
音楽評論および心理学的観点から、『Variety』を今聴くべきリスナーと、やや慎重に受け止めるべきリスナーの明確な条件を提示します。
【今すぐ聴くことを強く推奨する人】
- 大森元貴の思想・歌詞の深淵に触れたい人:現在のヒット曲の奥にある、人間存在へのシニカルな視点や哲学的な死生観を味わいたいリスナーにとって、本作は最高のテキストとなります。
- 骨太なアンサンブルと初期衝動を感じたい人:エフェクターを効かせたソリッドなギターワークや、生々しいバンドサウンドの躍動感を楽しみたいロックファン。
- バンドの進化の軌跡を論理的に解明したい人:どのようにして無名の十代が国民的アーティストへと至ったのか、その出発点のクオリティを確認したい人。
【やや慎重な姿勢が求められる人】
- 近年の絢爛豪華なオーケストレーションのみを期待する人:フェーズ2以降の壮大でシンフォニックなポップスだけを好む場合、初期の荒削りなガレージ感やオルタナティブな重さに少なからずギャップを感じる可能性があります。
- ストレートで無菌室的な癒やしを求めている人:「道徳と皿」や「VIP」に見られるような強烈な皮肉や毒性に耐性がない場合、精神的な負荷を感じることがあります。