『欲望の街』の物語を駆動させる最大の動力源は、主人公・鮫島(竹内力)を軸に絡み合う複雑な人間関係と愛憎の連鎖です。本作のキャスト相関図を読み解く上で欠かせないのが、「かつての仲間による裏切り」と「再起をかけた知略戦」という二重の対立軸です。
かつて難波の金融界で凄腕を鳴らしながらも、信頼していた共同経営者や組織の謀略によって無実の罪を被り、懲役9年の過酷な獄中生活を余儀なくされた鮫島。出所した彼を取り巻く陣営は、大きく分けて三つに分類されます。
第一に、鮫島の復活を信じて待ち続け、出所後の潜伏先や情報網を提供する忠実な協力者たち。裏路地で飲食店を営む古くからの理解者や、現代のITスキルを駆使してデジタル詐欺の手口を暴く若き情報屋が鮫島の「手足」となって機能します。第二に、鮫島を陥れた張本人であり、現在は表社会の富裕層や政治ブローカーへと成り上がった元同胞のフィクサー陣。そして第三に、悪質なトクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)や悪徳金融業者に食い物にされる一般市民や中小企業経営者たちです。
豪華キャスト陣の競演も見逃せません。鮫島の前に立ちはだかる冷酷な黒幕役には実力派ベテラン俳優が配され、若手実力派が翻弄される若者役を体当たりで熱演しています。単なる善悪二元論ではなく、登場人物一人ひとりが「自らの欲望のために妥協できない正義」を抱えて衝突する相関図の緻密さこそ、本作の脚本が唸らせる所以です。