バンドのアイデンティティを語る上で欠かせないのが、フロントに立つKuro(TAM TAM)の圧倒的な存在感だ。彼女のボーカルは、言葉の意味を超えてダイレクトに身体へ染み渡る。囁くようなウィスパーからエモーショナルなシャウトまで、グラデーション豊かな歌声は聴く者の感情を揺さぶって離さない。
彼らが標榜してきたダブ・ポップの残響感と、現代的なネオ・ソウルのしなやかなコード感。そのふたつがKuroの卓越したフロウによって融合するとき、唯一無二のグルーヴが立ち現れる。単に海外のトレンドを模倣するのではない。極めて私的な感情の揺らぎを、普遍的なポップソングへと昇華させるソングライティングの切れ味は、ここにきて円熟の極みに達している。