この物語の核となっていたのは、間違いなく母・定子を演じた岡江久美子さんと、父・雄平を演じた綿引勝彦さんの存在だ。太陽のように明るく、時に厳しく子どもたちを包み込む定子の姿は、日本中の「理想の母親像」となった。一方、頑固で不器用ながらも深い愛を持つ新聞記者の雄平は、一家の確固たる大黒柱として圧倒的な存在感を放っていた。
現場での二人は、カメラが回っていない時間も本当の夫婦であり、親であった。大勢の 子役たちが伸び伸びと演じられる環境を作ったのは、岡江さんの気配りと綿引さんの温かなまなざしだったという。NGが出ても温かく笑い飛ばし、食事のシーンでは本当に全員で食卓を囲んで腹を割って話した。あのリアルな家族の空気感は、計算された演技を超えた実生活のような絆から生まれたものだったのだ。