「日本は世界で一番災害が多い国ではないか」という疑問を持つ人は少なくありません。しかし、総合的な世界リスク指標WRIにおける災害大国日本の順位を見ると、全193カ国中「20位〜30位前後」に位置しています。この順位を見て「思ったより低い」と感じるかもしれません。
しかし、指標を細かく分解すると、日本が直面する過酷な現実が暴かれます。自然災害の外力に晒される度合いを示す「曝露度」単体で見ると、日本は世界トップ10前後の極めて危険な水準にランクされています。つまり、自然災害の発生頻度や規模だけで見れば間違いなく世界最悪レベルの災害多発国です。
それにもかかわらず総合順位が20位台にとどまっている理由は、日本が長年積み重ねてきた「対処能力(Coping Capacity)」と「適応能力(Adaptive Capacity)」が世界最高峰の数値を誇っているからです。耐震基準の厳格化、全国を網羅する早期警報システム、治水ダムや防潮堤の整備、高い医療水準がクッションとなり、総合リスク指数を辛うじて中和しているのが実態です。