アンジェルマン症候群(Angelman Syndrome: AS)は、15番染色体に位置する「UBE3A」遺伝子の機能不全によって生じる希少な神経変性疾患だ。発生頻度はおよそ1万5000人から2万人に1人とされている。主な特徴として、重度の発達遅滞、言語障害、てんかん発作、そして重い運動失調(不快運動や手足の震え)が挙げられる。
この疾患を持つ人々は、常に笑みを浮かべているような表情を見せたり、手を頻繁に叩くような仕草(ハッピー・パペット)を見せたりすることが多い。一見すると非常に機嫌が良く幸せそうに見えるが、その裏には重篤な睡眠障害や、自分の意図を相手に伝えられないことによる激しいパニック、急激にてんかん発作に見舞われる恐怖と日々隣り合わせの生活がある。表面的な「愛らしさ」だけでは語れない過酷な現実が存在するのだ。