芸能人の逮捕劇は、突発的に起こるわけではありません。その背後には、捜査機関による数ヶ月から数年に及ぶ周到な内偵捜査が存在します。取り締まりを主導するのは、厚生労働省の地方厚生局に置かれた麻薬取締部(通称:マトリ)と、警視庁などの組対部門(組織犯罪対策部)です。
とりわけマトリは、医療用麻薬の流通監視だけでなく違法薬物の密売ルート撲滅に特化した専門家集団として知られています。彼らは怪しい交友関係や密売人の供述、海外渡航履歴、SNSの通信記録などを丹念に解析し、ターゲットの行動パターンを割り出します。家宅捜索が入る段階では、すでに確実な証拠や尿検査での陽性反応を見越した「詰み」の状態が作られているケースがほとんどです。
一方で、週刊誌やネット上で定期的に取り沙汰される「次に逮捕される芸能人X」といったイニシャル報道の真偽については慎重な見極めが必要です。捜査関係者からの確度の高いリークに基づくものがある反面、根拠のない業界のゴシップやデマが拡散されることも少なくありません。しかし、ひとたび本格的な内偵ターゲットとなった人物が包囲網から逃れることは極めて困難です。