島国である日本にとっても、気候危機の進行はもはや対岸の火事ではありません。海面上昇と異常気象の激甚化は、私たちの暮らしと経済活動を根底から揺るがし始めています。
環境省などのシミュレーションによると、平均気温の上昇に伴い、日本の沿岸部では砂浜の大部分が消失するリスクや、高潮・台風による浸水被害エリアの劇的な拡大が予測されています。特に東京湾、大阪湾、伊勢湾などのゼロメートル地帯を抱える大都市圏では、堤防の嵩上げや排水インフラの再構築に天文学的な予算が必要となります。
さらに、毎年のように日本列島を直撃する線状降水帯による豪雨災害、40度を超える猛暑日の常態化、農作物の品質低下(米の白未熟粒や果樹の着色不良)、近海の水温上昇による漁獲対象魚の急変など、すでに実生活や産業への打撃は深刻化しています。日本における温暖化対策は、将来世代のための環境保護という枠組みを超え、「今そこにある国家存亡の危機管理」へとフェーズが変わっています。