全国の桜の名所や市街地で、桜の倒木被害を伝えるニュースが春先や台風シーズンを中心に頻発しています。通行人への直撃や電線の切断、走行中の車両が大破する事故など、深刻な人的・物的被害が報告されるケースも珍しくありません。
問題の根底にあるのは、「満開に花を咲かせる木=健康な木」という思い込みです。桜の木は、養分や水分を吸い上げる外側の形成層さえ生きていれば、幹の中心部がどれほどボロボロに朽ち果てていても春に花を咲かせます。そのため、外見の華やかさに惑わされ、内部崩壊の危険シグナルが見過ごされやすいという致命的な罠が存在します。
特に近年は、地球温暖化に伴う局地的なゲリラ豪雨や猛烈な突風など、樹木にかかる負荷が極端に増加しています。弱り切った内部組織が強風に耐えきれず、前触れもなくへし折れる事故が各地で発生しているのが現在の実情です。