Saucy Dogの楽曲の多くは、私小説のような生々しさを持っている。特にこの曲においては、恋人同士の絶妙な距離感が、あえて美化されずに描かれているのが特徴だ。格好悪い自分や、言えなかった本音、相手に対する小さな甘えなど、誰もが心に秘めている弱さが包み隠さず表現されている。
完璧なハッピーエンドでも、絶望的なバッドエンドでもない。その中間にある「曖昧で、だけど愛おしい時間」を切り取るセンスこそが、作詞を手がける石原慎也の真骨頂と言えるだろう。聴き手は、その不完全な関係性にこそ、強いリアリティを感じずにはいられないのだ。