このスタンドを操る本体ミラションは、決して高潔なギャンブラーではない。刑務所内で他人の弱みにつけ込み、小銭を巻き上げる小悪党だ。しかし、彼女の恐ろしさは「相手に絶対に勝ち目がないと思わせるトラップの張り巡らせ方」にあった。看守を買収し、監視カメラの位置を把握した上で仕掛けるキャッチボールの賭けは、緻密に計算された罠だった。
だが、その狡猾さこそが命取りとなる。空条徐倫という規格外の主人公は、ルールを破るのではなく「ルールを逆手に取った1000球の連続投球」という力技と執念でミラションの精神を粉砕した。不正を暴かれ、自らが仕掛けたルールの檻に捕らわれて自滅していくミラションの末路は、ある種の爽快感すら漂わせる見事なカタルシスを生み出した。