主人公ケビン・マカリスターがマンハッタンでチェックインする最高級ホテル「プラザホテル」。この象徴的なロケ地での撮影を実現させるため、制作陣が直面したのがトランプ氏による異例の要求でした。
トランプ氏は1988年に約4億700万ドルでプラザホテルを買収し、自らオーナーとして経営に携わっていました。ハリウッドの映画制作では通常、ロケーション使用料を支払うことで撮影許可を得るのが通例です。しかし、監督を務めたクリス・コロンバス氏が米メディアのインタビューで回想したところによると、トランプ氏側は「正規のロケ費用を支払うことに加え、ドナルドを映画に出演させること」を絶対条件として提示してきたといいます。
当初、制作陣はこの強引な要求に戸惑い、撮影を円滑に進めるため便宜上撮影を行いつつも、ポストプロダクションの編集段階でカットする想定でした。しかし、ニューヨークで開催された最初のテスト試写会で予想外の現象が起きます。トランプ氏が画面に映し出された瞬間、客席から歓声と拍手が巻き起こったのです。コロンバス監督は「観客がこれほど喜んでいるのなら残すべきだ」と判断し、歴史的なカメオ出演が劇場公開版に刻まれることとなりました。