長年にわたり『週刊少年ジャンプ』の看板を背負い続けた作者の秋本治は、自身も屈指のコレクターであり、各種ホビーに対する知見は極めて深い。だが、単にマニアックな知識をひけらかすだけに留まらないのが天才ギャグ漫画家の面目躍如たる部分だ。
秋本治は両津勘吉の異常なこだわりを描きつつ、常に麗子や中川といった世間一般の視点を対比させることで確実な笑いを生み出した。オタク側の過剰な熱量と、一般側の冷めたフラットな観察眼。この二つの視線が交差した瞬間に生じる滑稽さは、連載当時から変わらぬ鮮烈な魅力を放ち続けている。