心理的ストレスが引き起こす具体的な疾患の一つに、「心因性発熱(機能性高熱症)」があります。
風邪や感染症による発熱は、体内に侵入した病原体に対抗するため、免疫細胞が炎症性サイトカインを放出して体温調節中枢を刺激することで起こります。この場合、解熱鎮痛薬(ロキソプロフェンやアセトアミノフェンなど)が効果を示します。
しかし、心因性発熱は炎症ではなく、過剰な交感神経の緊張が褐色脂肪組織での熱産生を促し、末梢血管の収縮によって熱が体内にこもることで発生します。そのため、一般的な解熱薬がほとんど効かないという特徴があります。病院の血液検査で炎症反応(CRPなど)が出ないにもかかわらず、37度台後半から38度前後の熱が続く場合、心理的葛藤や過労が主因であるケースは少なくありません。このほかにも、過敏性腸症候群(IBS)や緊張型頭痛、円形脱毛症なども、ストレスが引き金となる代表的な心身症です。