長方形リビングを攻略する鍵は、空間を「3:2」の比率で視覚分割する黄金バランスにある。リビングエリアとダイニングエリアを均等な「1:1」で二分してしまうと、空間にメリハリが失われ、どちらのエリアも窮屈に感じられてしまうのだ。主役となるリビングに6割のゆとりを持たせ、ダイニングを4割に抑える配分こそが、空間全体に心地よいリズムをもたらす。
狭小住宅から大空間まで通用する動線確保の裏技は、壁面から家具までの距離を「80センチメートル」確保すること。これ未満になるとすれ違い時に身体を斜めに傾ける必要が生じ、無意識のストレスが蓄積する。サイドテーブルやラグの端に至るまで、直線的な一本の「メインハイウェイ(主要動線)」を通すだけで、部屋の抜け感は劇的に向上する。
さらに、部屋に入った瞬間に最も遠い角(対角線上のコーナー)へ視線を誘導するフォーカルポイントの形成が欠かせない。窓際に背の低い観葉植物やスタンドライトを配置し、視線の終着点を低く奥へと逃がすことで、実際の畳数よりも3割以上広く錯覚させる視覚トリックが完成する。