「脱獄王」白石由竹を演じた矢本悠馬のコメディセンスと愛嬌は、血生臭い争奪戦の清涼剤だ。関節を外し、脱獄を図るトリッキーな挙動から、杉元やアシリパとの掛け合いで見せるコミカルな間合いまで、作品になくてはならない親しみやすさを提供している。
そして、もう一人の金塊争奪戦のキーマンである土方歳三役の舘ひろし。幕末の生き残りとしての圧倒的な貫禄、殺陣の美しさ、そして老いてなお衰えぬ野心。舘ひろしの存在が、作品全体に時代劇としての重厚な骨組みを与えている。若手からベテランまで、個々のキャストがジグソーパズルのピースのように完璧にハマっているのだ。