単なるテーマパーク・アミューズメントの枠組みに収まらない点に、湯布院フローラルヴィレッジの真価がある。広大な敷地で大型アトラクションを競う都市型施設とは対照的に、ここは歩幅を緩め、視線を落とし、路地のディテールを愛でるスケール感で作られている。日本の観光・レジャー産業全体を見渡しても、温泉街の風情と異国の情景をこれほど濃密に調和させた事例は極めて珍しい。
じゃらんnetなどの旅行サイトでも常に高い支持を集めている理由は、徹底された世界観の統一にある。看板のレタリングから石畳の質感、植栽の配置に至るまで、景観を邪魔する要素が丁寧に削ぎ落とされている。だからこそ、訪れる者は一瞬にして日常を離れ、絵本のページの中へ迷い込んだような没入感を味わえる。