一口に竹箸と言っても、使われる品種や加工法によってその表情は千差万別だ。市場で広く親しまれているのは、油抜きを施して美しい飴色へと仕上げた白竹(マダケ)である。繊維が細かく均一で、適度な柔軟性を持つため、普段使いの軽やかな一膳に最も適している。
対して、肉厚で重厚感のある孟宗竹(モウソウチク)は、しっかりとした握り心地を好む人や大振りの取り箸に重宝される。硬度が高く、タフな使用にも耐えうる頑丈さが持ち味だ。
そして愛好家垂涎の的となっているのが、古民家の茅葺き屋根を支え、百〜二百年もの歳月をかけて囲炉裏の煙で燻された煤竹(ススダケ)だ。自然乾燥と燻煙によって水分が完全に抜け、独特の赤褐色と極上の堅牢さを誇る。入手困難を極めるヴィンテージ素材であり、その奥深い色艶は食卓に圧倒的な風格をもたらす。