インドブロックプリント(Hand Block Print)とは、熟練の職人が木版(ブロック)を一押しずつ手作業で布に押し当てて模様を染め上げていく、インド発祥の伝統的な染色技法です。その起源は紀元前にまで遡るとも言われ、特にインド北西部ラジャスタン州のジャイプール近郊(サンガネール村やバグルー村)が世界的な一大産地として知られています。
制作工程は驚くほど緻密です。まず、シーシャム(シタン)やチークなどの硬い木材に図案を直接彫り込み、柄の構成要素ごとに複数の版を作製します。複雑な多色刷りのデザインでは、1枚の布を仕上げるために4〜5種類以上の木版を寸分の狂いもなく重ね押しする必要があります。
現在では化学染料を用いた鮮やかな発色のものから、藍(インディゴ)やザクロの皮、アカネといった植物・鉱物由来のベジタブルダイ(天然染料)にこだわる工房まで幅広く存在します。大量生産のファストファッションにはない、手仕事ならではの奥行きと生命力が宿るテキスタイルとして世界中で再評価が進んでいます。