江戸中期から続く八百彦本店は、名古屋城下で仕出し料理屋として暖簾を掲げて以来、尾張徳川家の御用達としても名を馳せてきた屈指の老舗です。現在でも冠婚葬祭や格式高い宴席の料理を一手に引き受ける同店が、一年の集大成として総力を挙げて調進するのが正月のおせち料理です。
多くの通販おせちが大量生産の冷凍技術に依存するなか、八百彦本店が貫いている最大のこだわりは「作り立てをそのまま届ける冷蔵(生おせち)」の提供にあります。急速冷凍や長期保存を前提としないため、食材本来の瑞々しさや食感、職人が丁寧に引いた出汁の繊細な香りを損なうことなく元旦の食卓へ届けられます。
尾張名古屋の食文化を象徴する、コクのある豊かな旨味と上品な甘み。その絶妙なバランスこそが、三世代が集うファミリー層から本物の味を知るシニア層まで、長年リピーターを惹きつけてやまない最大の原動力となっています。