復讐が果たされた瞬間、そして鈴木が雪の上で呆然と崩れ落ちるその刹那、米津玄師の『Lemon』の前奏が静かに立ち上がる。この楽曲の入り方こそが、第5話の悲劇性を完成させた最大の要因と言っても過言ではない。
カタルシスなど存在しない。ただ残されたのは、圧倒的な虚無感と取り返しのつかない喪失だけだ。音楽と映像、役者の演技が見事にシンクロしたこの瞬間、視聴者は「復讐の虚しさ」を頭で理解するのではなく、全身の細胞で体感させられることになった。演出を手掛けた塚原あゆ子監督と野木亜紀子氏の脚本による、極限の化学反応がここにあった。