甲状腺疾患の食事療法を巡っては、誤った医療・ヘルスケア情報が今なお後を絶ちません。「ヨード(ヨウ素)は甲状腺に悪いから海藻は一口も食べてはいけない」あるいは「海藻を食べれば治る」といった極端な言説は、どちらも患者を混乱させる要因です。
実際のところ、日常的な食事に含まれる適量の海苔やワカメを過度に恐れる必要はありません。しかし、昆布出汁を毎日大量に濃縮して飲むような極端な過剰摂取や、高濃度のヨードを含有するうがい薬の頻回使用は甲状腺機能の不安定化を招きます。また、CT検査などで使用されるヨード造影剤・海藻類制限に関しては、放射性ヨウ素内用療法(アイソトープ治療)の前後などで厳格な管理が不可欠となるため、検査前には必ずバセドウ病の治療歴を医師へ申告しなければなりません。