中学生時代を描いた『ハイ☆スピード!-Free! Starting Days-』を振り返ると、遙が大人へと成長していく過程で手放したものと、守り抜いたものの輪郭がより鮮明に浮かび上がる。早熟ゆえの戸惑いや、チームワークに対する幼い拒絶反応など、思春期の入り口で彼が抱えた傷跡は、後の劇場版シリーズにおける葛藤の伏線として美しく回収されていった。
過去のトラウマや迷いと真正面から対峙し、幼少期からの仲間、高校で出会った仲間、そして世界で競い合うライバルたちの想いをすべて自らの両翼に変えて泳ぎ切ったラストシーン。それは、水の中に孤独を求めていた少年が、絆という推進力を得て世界へと羽ばたく完璧な叙事詩の完成を意味していた。