KADOKAWAより刊行された公式ノベライズ『魔女の家 エレンの日記』は、ゲーム本編では語り尽くせなかった前日譚の闇を克明に描き出している。なぜエレンはこれほどまでに他者を踏みにじる怪物へと成り果てたのか。その背景には、幼少期に受けた両親からのネグレクトと虐待、そして全身が腐り落ちていく奇病の存在があった。
孤独と激痛の中で死を待つだけだったエレンのもとに現れたのが、黒猫の姿を借りた悪魔だった。悪魔から魔術を授かり、他者の命を喰らうことで延命を続けたエレンだが、朽ち果てていく肉体そのものを癒やす術はなかった。そんな折、森で偶然出会ったのが、裕福な家庭で愛されて育った純真無垢な少女ヴィオラだった。
自分には決して手に入らない眩しい光を持つヴィオラを見たとき、エレンの胸に宿ったのは感謝ではなく、激しい嫉妬と執着だった。書籍版を読破することで、ゲーム中で見られる細かなオブジェクトの配置や日記の断片が、より一層生々しい悪意の結晶として立ち現れてくる。