2000年代以降も彼女の勢いは止まらない。園子温監督による237分の怪作『愛のむきだし』(2009年)では、カルト宗教の世界に生きる歪んだ大人の一面を鬼気迫るテンションで怪演。作品が持つ猥雑さと狂気の中にありながら、彼女の肉体と言動は物語に揺るぎない説得力を与え、ベルリン国際映画祭をはじめ世界各地のカルトムービーファンを熱狂させた。
さらに中野量太監督の長編デビュー作『チチを撮りに』(2012年)では、死にゆく元夫のもとへ娘たちを送り出す母親役を熱演。家族の過去と現在を背負う切なくもたくましい女性像を繊細に演じ切り、第55回アジア太平洋映画祭および第7回アジアン・フィルム・アワードで見事助演女優賞の二冠に輝いた。大胆な露出を伴う役柄から静かな情感を滲ませる母親役まで、身体全体をメディアとして使いこなすレンジの広さは他の追随を許さない。