かつてスポーツウェアやワークウェアの域を出なかった着想が、パリやミラノのランウェイを席巻して久しい。しかし2026年のアプローチは一味違う。ロゴを大きく打ち出す主張型から、素材の質感や緻密なカットワークで語る「クワイエット・ラグジュアリー」へのシフトが鮮明だ。
最高級のカシミヤ混スウェットや、シルクのような光沢を持つ超長綿を使用したモデルが各ブランドから続々と登場している。一見するとシンプルなグレーやブラックのフーディーでありながら、一歩近づけばその圧倒的な生地の落ち感と仕立ての良さが伝わる。カジュアルでありながらドレスウェアと同等の格を纏う。この「ハイパー・カジュアル」の文脈において、最前線に位置するのがまさにフロントジップのスタイルなのだ。