参拝を終えた人々の足が自然と向かうのが、境内に店を構える名物の露店や周辺の甘味処だ。甘辛い醤油ダレが香ばしく焦げる匂いが、夜の境内に漂う。全国で親しまれている「みたらし団子」の発祥は、まさにこの御手洗池にある。
一説には、池の底からフツフツと湧き出る水泡の姿を模して作られたのが始まりとされる。串に刺さった5つの団子のうち、一番上の1つだけが少し離れて刺されている独特の形状は、人の五体を表しているという。一番上の団子が頭、残りの4つが両手両足だ。
無病息災を祈る神事の後に食べる焼きたての団子は、単なるスイーツではない。神の恵みを体内に取り込むという、もう一つの重要な儀礼的意味を担っているのだ。香ばしい焦げ目とモチモチとした食感、そして程よい甘みが、冷えた体にやさしい温もりを呼び戻す。