鎌倉でもんじゃを食べるという体験は、舌だけでなく五感全体を刺激する。かつてのもんじゃ焼き店といえば、煙が充満し、パイプ椅子に腰かけて身を寄せ合うような雑多な雰囲気が醍醐味とされていた。しかし、現在の鎌倉で目にする景観はそれとは全く異なる。
苔むした庭園を眺めながら個室でゆったりと鉄板に向き合える大正ロマン風の古民家レストラン。あるいは、ミニマルなコンクリート打ちっぱなしの店内におしゃれなナチュールワインがずらりと並ぶ、ビストロさながらの鉄板サロン。におい移りを極限まで抑える最新の排煙システムが備わっていることもあり、デートやビジネスの食食事てら訪れる客足が絶えない。歴史ある街並みの情景と洗練されたデザインが同居する空間こそが、この街における新しい外食体験の価値を担保している。