個体数の増加に伴い、沿岸のアサリや海苔の養殖場に深刻な食害をもたらすエイの対策は、日本の水産業にとっても喫緊の課題となってきた。こうした中、水産庁も未利用魚・低利用魚の積極的な利活用と資源循環の観点から、エイの食用化や加工品開発の取り組みを強力に後押ししている。
地域によっては、エイの軟骨に含まれるコンドロイチンやコラーゲンに着目した機能性食品の開発や、臭みを抑えた冷凍加工フィレの流通実験が進む。単なる駆除対象として処分費用をかけるのではなく、価値ある水産資源として再定義する試みが全国の漁港で加速している。流通網の進化と下処理技術の普及が、日本の食卓に新たな選択肢をもたらそうとしている。