さんじゅーろーが備中松山城に現れたのは、岡山県内に甚大な爪痕を残した2018年7月の西日本豪雨の直後でした。山頂の三の丸付近で痩せ細った状態でうずくまっていたところを城の管理スタッフに発見・保護されたのがすべての始まりです。
当初は迷い猫として保護されていましたが、その堂々たる佇まいと人懐っこさから、観光客の間で「城に猫がいる」と瞬く間に話題となりました。気になるさんじゅうろうの名前の由来は、備中松山藩出身の実在の武士であり、幕末の新選組七番隊組長を務めた「谷三十郎」にあやかったものです。歴女や時代劇ファンも納得の重厚なネーミングが、茶白の柔らかなビジュアルとの絶妙なギャップを生み出しました。
後に元の飼い主が判明したものの、「豪雨で落ち込んだ高梁市の復興と観光振興のために役立つなら」と快く市観光協会へ譲渡され、名実ともに備中松山城の看板猫としての道を歩み始めることになりました。