SNS上では度々「二次元の性暴力描写が法律で全面禁止になるのではないか」という噂が飛び交いますが、現行の日本の法制度を正確に把握しておく必要があります。
日本の刑法において、実際の性犯罪を取り締まる規定(不同意性交等罪など)は実在の人間を対象とした行為を処罰するものであり、架空のキャラクターが描かれた二次元作品そのものに直接適用されるわけではありません。二次元表現に関する法律上の主な論点は、刑法175条(わいせつ物頒布等の罪)や各自治体の青少年保護育成条例における「有害図書指定」の枠組みにあります。
国際機関からの勧告や一部の市民団体からの法制化要求は存在するものの、日本国憲法第21条が保障する「表現の自由」や検閲の禁止との兼ね合いから、国が一律にフィクションの描写を禁止する法律を制定した事実はありません。現在起きている制限の大部分は、国家権力による法規制ではなく、プラットフォーム事業者や決済会社による民間の自主基準(利用規約)の厳格化によるものです。