日本に対する外部からの武力攻撃が発生、あるいは切迫した際、指揮権はどのように行使されるのか。その有事の権限と手続きは、厳格な法的手続きに沿って進行します。
国家の存亡に関わる危機が発生した場合、まず中枢となるのが国家安全保障会議(NSC)です。首相、外務大臣、防衛大臣、内閣官房長官らで構成される「4大臣会合」において、軍事情勢の評価と対応方針が集中的に審議されます。
NSCでの審議と閣議決定を経て、内閣総理大臣は防衛出動命令権を行使します。防衛出動を発令するには、原則として事前に国会の承認を得なければなりません。極めて緊急を要する場合に限り事後承認が認められていますが、不承認となった場合は即座に部隊を撤収させる義務が生じます。
首相から発令された命令は防衛大臣へと伝達され、防衛大臣から制服組トップである統合幕僚長を通じて陸・海・空の各自衛隊部隊へと下達されます。統合幕僚長は軍事の専門的見地から防衛大臣を一元的に補佐し、作戦全般の統合運用計画を立案・執行する極めて重要な実務責任を負っています。