映画『1リットルの涙』を監督した岡村力氏は、木藤亜也さんの母・潮香さんの手記『いのちのハードル』も丹念に読み込み、生前の亜也さんを知る関係者へ綿密な取材を重ねて撮影に臨みました。
映画情報サイトやレビュープラットフォームにおける評価を見ると、「ドラマ版以上に泣けた」「静かな演出だからこそ胸に深く刺さる」といった声が目立ちます。商業映画特有の大げさなBGMや劇的な演出を極力排し、日々の生活音や息遣い、ペンが紙を走る音を丁寧に拾い上げた音響設計が高く評価されています。
観客が涙するのは、単なる可哀想な少女のお涙頂戴劇ではないからです。自分の身体が思い通りにならなくなる恐怖の中で、それでも他者の役に立ちたいと願い続けた木藤亜也さんの強さと、それを支え抜いた家族の無償の愛が純度100%でスクリーンから伝わってくるからに他なりません。