アルビニのサウンドを象徴するのが、自らの理想を追求するためにシカゴに建設したスタジオ「エレクトリカル・オーディオ」だ。デジタル編集ソフトによる音修正やピッチ補正が当たり前となった現代の音楽プロダクション業界にあって、彼は最後までアナログテープへのダイレクト録音にこだわり抜いた。
部屋の空気感やドラムのアコースティックな響きをそのままマイクに捉える手法は、過剰な演出を嫌う彼の固い意志のあらわれだった。レコーディングにおいて彼は自らをプロデューサーではなく単なるエンジニアと呼び、演奏者のありのままの音を記録する役割に徹したのだ。