歌詞の深遠さに目が行きがちだが、それを支える緻密な音楽的構造を無視することはできない。作曲を手掛けた羽田一郎によるメロディラインは、歌謡曲の叙情性と洋楽的で洗練されたコード進行が見事に融合している。
ビクターエンタテインメントの制作陣が作り上げた洒脱なサウンドアレンジメントは、時代を経ても全く色褪せない強度を誇る。情念のこもった詞に対して、あえてドライで洗練されたラテンテイストやフュージョン寄りのアプローチを掛け合わせることで、重苦しさを排除し、極上のポップスとして昇華させることに成功したのだ。