世界でエナジードリンクという言葉が定着する遥か前、1960年代の高度経済成長期から日本には「栄養ドリンク文化」が根付いていました。1962年に大正製薬が発売したリポビタンDが医薬部外品としてのドリンク剤市場を切り開き、続いて1965年に大塚製薬が世に送り出したのが炭酸栄養飲料の元祖オロナミンCです。
日常的に喉を潤しながら手軽に元気を補給するという発想は、昭和から平成にかけて独自の進化を遂げました。1981年には日本コカ・コーラからリアルゴールドが登場し、1992年にはサントリーがデカビタCを投入。これらは現在でいうエナジードリンクの先駆けであり、日本人の味覚に「黄色いビタミン炭酸飲料=元気が出る味」という強固な刷り込みを完成させました。
ロングセラー商品の間にも明確な個性と設計思想の違いが存在します。オロナミンCとリアルゴールドの違いを比較すると、オロナミンCはビタミンC・B群に加えカフェインを含有しているのに対し、リアルゴールドはローヤルゼリーや高麗人参エキスを主体としたノンカフェイン設計を採用しています。夜間でも気兼ねなく飲めるリアルゴールドに対し、オロナミンCは日中のリフレッシュに最適です。
一方、デカビタCのエナジードリンク効果としては、ビタミンB群やナイアシンに加えてローヤルゼリーエキスを配合し、大容量の炭酸感で一気に爽快感を得られる点が挙げられます。海外発祥のエナジードリンクが日本に上陸した際、すんなりと受け入れられた背景には、こうした数十年に及ぶ栄養炭酸飲料の歴史的下地があったからに他なりません。