二人の名優が吹き込んだ魂は、毛利小五郎というキャラクターにそれぞれ異なる深みをもたらしています。
【初代・神谷明氏のアプローチ】
昭和〜平成のアニメ黄金期を牽引した天才的なテンポ感が特徴です。「へへっ、蘭姉ちゃん」「ヨーコちゃ〜ん!」といった甲高い歓声から、麻酔針で眠らされた後の重厚なトーンへの切り替えはまさに芸術的。ケレン味あふれるアニメ的表現の最高峰でした。
【2代目・小山力也氏のアプローチ】
洋画吹き替えで培われたリアリズムと渋みが前面に出ています。酔っ払い時のくだけた芝居や、時に見せる元刑事としての凄み、泥臭いアクションシーンでの説得力は小山氏ならではの魅力です。より「リアルな大人の男」としての存在感が際立っています。
どちらが優れているかという優劣ではなく、時代背景や作品のトーン進化に呼応した見事なアプローチの違いとして、現在では双方のファンからリスペクトされています。