「ボールは保持しているのに枠内シュートが打てない」「決定力不足に泣いた」という試合展開の多くは、まさにこのアタッキングサードでの振る舞いに原因があります。ポゼッションサッカーを展開してミドルサードまでは華麗にパスを回せても、相手が強固な守備ブロックを敷くアタッキングサードに入った途端、スペースと時間を完全に奪われて手詰まりに陥るケースが後を絶ちません。
決定力不足の理由を戦術的な視点で掘り下げると、以下の3点が浮き彫りになります。
1つ目は「プレー精度の低下」です。ゴールに近づくほど相手のプレッシャーは激しさを増し、わずか数センチのパスのズレやトラップの乱れが致命的なボールロストにつながります。
2つ目は「アタッキングサードへの侵入パターンの単調さ」です。中央を固められた際にサイドへ逃げるだけのクロスを放り込んでも、身長と体格で勝る相手センターバックに跳ね返され続けます。
3つ目は「リスクを恐れる消極的な選択」です。ペナルティエリア付近では、相手守備の予測を外すドリブル突破や意表を突くスルーパスなど、個人技とひらめきによる「ギャンブル的な仕掛け」が不可欠ですが、安全な横パスを選んでしまい攻撃が停滞する場面が目立ちます。