生物学的な分類において、昆布とワカメはどちらも「不等毛植物門 褐藻綱」に属しています。しかし、その先の分類群を見ると、昆布はコンブ目コンブ科(主にマコンブ属など)、ワカメはチガイソ科ワカメ属に分かれており、植物でいえば「科」レベルで異なる別種です。
この分類の違いは、両者が適応してきた産地と生息地の環境に由来します。昆布の主産地は北海道沿岸から東北北部の冷水域であり、水温が低く水深数メートルから十数メートルの岩礁地帯に根を張ります。寒冷な外洋の強い潮流に耐えるため、昆布は繊維が太く、肉厚で強固な帯状の体を形成します。
対照的に、ワカメは日本全国の沿岸部(三陸、鳴門、伊勢湾など)に広く自生・養殖されています。水深1〜5メートル前後の比較的浅く光が届きやすい波打ち際近くに群生し、波の揺れにしなやかになびく薄く柔らかな葉状体を広げます。乾燥状態や原藻の状態における見分け方としても、厚みがあり直線的で硬質なものが昆布、薄くヒダ状に切れ込みが入っているものがワカメという明確な形態差が存在します。