冠動脈の血流低下によって起きる病気には「狭心症」と「心筋梗塞」の2段階があります。どちらも左肩に放散痛を引き起こしますが、その病態と持続時間には明確な違いがあります。
狭心症は、血管が細くなり一時的に心筋が酸素不足に陥っている状態です。階段を上ったときや急ぎ足で歩いたときなど、心臓に負荷がかかった際に左肩や胸の圧迫感が出現し、通常は安静にして5分〜15分程度で痛みが治まるのが特徴です。
一方の心筋梗塞は、血管内に血栓ができて完全に血流がストップし、心筋細胞の壊死が始まっている状態を指します。安静にしていても痛みが治まることはなく、20分以上、長ければ数時間にわたって激しい圧迫感や重苦しさが持続します。
「以前から時々左肩や胸が重苦しくなっていたが、少し休めば治っていた(狭心症の段階)」という人が、ある時突然「休んでも一向に痛みが引かない」状態へ移行した場合は、完全閉塞による心筋梗塞を発症した可能性が極めて高くなります。