ルッキズムに対する意識が劇的に変化した近年の日本の芸能界において、稲田直樹の立ち位置は極めて示唆に富んでいる。誰かを傷つける笑いではなく、自らの特徴を誇らしげに掲げ、底抜けの明るさで周囲を巻き込んでいく姿勢は、多くの人々に勇気を与えてきた。
「顔を捨てて中身で勝負しているのではなく、顔も中身も全部ひっくるめて僕」——かつて彼が残した言葉の通り、自己肯定感の高さと愛嬌が同居するその横顔は、見る者に不思議な爽快感をもたらす。美醜の二元論を軽々と飛び越え、唯一無二のエンターテインメントへと昇華させた稲田の存在は、現代のお笑いシーンにおいて特異かつ重要なマイルストーンとなっている。