突然の別れだったからこそ、生前の資産整理や遺言書の準備はなされていなかったとされる。志村さんが残した総額十数億円とも言われる遺産には、この三鷹の自宅不動産も含まれていた。遺族である実兄たちを襲ったのは、莫大な相続税の支払いという現実的な問題だ。
現金資産だけでは賄いきれないほどの税額に、一時は「即時売却か」との報道が何度も流れた。突然の悲報に暮れる暇もなく、膨大な手続きと数字の計算に追われた遺族の苦労は計り知れない。一人の男が一生をかけて築き上げた富と名声が、残された者に重い選択を突きつけることとなったのだ。