排便後、汚れを完全に落とそうとトイレットペーパーで力任せに擦り取っていませんか。実は、肛門周辺の皮膚組織は人体の中でも特に繊細で、目の周りやまぶたと同じくらいの薄さしかありません。強い摩擦が加わると、目に見えない微細な傷が無数に生じてしまいます。
皮膚表面を保護している天然の皮脂膜や角質層が削り取られると、乾燥が進んでバリア機能が低下します。その結果、わずかな刺激にも敏感になり、激しいかゆみや炎症を引き起こす「肛門皮膚炎」や、皮膚が裂ける「切れ痔(裂肛)」を発症するケースが後を絶ちません。トイレットペーパーの正しい拭き方の基本は、擦る動作を捨てて「優しく押し当てる」意識へのシフトです。