ホウセンカは、全国の小学校で理科の観察・実験教材として半世紀以上にわたり選ばれ続けています。その理由は、植物の成長過程や体内構造を視覚的に理解する上で極めて理想的な特徴を備えているからです。
発芽時に最初に出てくる子葉(双葉)は、丸みを帯びた肉厚な形状をしており、種子に蓄えられた栄養を使って初期の根や茎を伸ばす役割を担います。これに対して、その後に展開する本葉は、先端が尖り縁に細かいギザギザ(鋸歯)がある細長い形状へと明確に変化します。この「子葉と本葉の形の違い」を観察することで、植物が光合成を行う本格的な葉へと移行するプロセスを分かりやすく学べます。
さらに有名なのが、着色水を用いた「水の吸い上げ実験」です。ホウセンカの茎はみずみずしく半透明であるため、赤インクなどを溶かした水に挿すと、根から吸い上げられた水が維管束(道管)を通って茎を駆け上がり、葉脈の先まで赤く染まっていく様子が肉眼ではっきりと確認できます。植物が生きて水を全身に巡らせている動的な生命力を実感できる貴重な教材です。