冷え切った硬いお餅を、つきたてのようにふっくら柔らかく仕上げる決定的なカギは「水分の与え方」と「加熱の出力コントロール」にある。直加熱すると餅内部の水分子が一気に蒸発し、表面がゴムのように固化してしまう。これを防ぐプロの解凍術が、深めの耐熱容器に冷凍餅を入れ、ひたひたになる程度(餅の高さの半分から全体が浸かるくらい)の水を張る手法だ。
水加減とワット数の黄金比は、600Wのレンジなら1個につき約50秒〜1分。水の中で加熱することで電磁波による局所的な過熱を防ぎ、均一に水分を補給しながら内部のでんぷんをアルファ化(糊化)させることができる。皿の上にじかに載せてラップをかける方法だと、水蒸気が逃げて角が硬く残ってしまうが、浸水加熱なら失敗は一切起こらない。引き上げた瞬間、箸がスッと入る極上の柔らかさに驚くはずだ。