スマートフォンの夜景モードや最新ミラーレスカメラの進化は、鑑賞者の行動様式すら塗り替えた。かつては三脚と長秒露光が必須だったスポットでも、今や手持ちのデバイスひとつで肉眼以上の色彩情報が捉えられる。
だが皮肉なことに、画面越しに鮮やかすぎる虚構の光を見ることに飽き足らず、「自分の目で本当の光を見つめ直したい」と願う原点回帰の動きも根強い。撮影は最初の数分で終え、残りの時間は冷たい夜風を感じながら肉眼のフォーカスを無限遠に合わせる。デジタル技術の極致を経験したからこそ、生身の感覚で味わう光のグラデーションが特別な重みを持つ。