現代のコミュニケーションは効率的だ。既読マークがつけば相手が読んだことがわかり、SNSの通知が来れば自分が社会に存在しているような錯覚を覚える。しかし、それは本物の繋がりなのだろうか。都内の大学に通う女性(21)は「友達は多いし、毎日誰かと通話している。でも、本当に自分が愛されているのか、誰かを愛しているのかが分からない」と吐露する。
この「手軽すぎる繋がり」の裏返しとして存在するのが、他者との深い摩擦を避ける傾向だ。傷つくことを恐れるあまり、深い関係に踏み込めない。その結果、個人の内面に蓄積されたドロドロとした感情や孤独感が、かつての歌謡曲が持っていた剥き出しの情念と同調している。